相対測定方式と絶対測定方式
ここでご紹介する中性子水分計・マイクロ波水分計・レベル計・ベルトスケールは、測定中の外乱要因に対して強く、かつきわめて精度よく測定ができます。 これらはマイクロ波や放射線を用いて基準サンプルと比較測定する相対測定方式です。
- 放射性を用いた方式は、一般に外乱に対して非常に強く、安定的に測定します。
- 相対測定方式は、絶対測定では得られない感度で測定値の小さい変化を鋭敏に検出します。
解説 ― 相対測定方式と絶対測定方式とは何?
一般的に測定方法は、相対測定方式と絶対測定方式に大別されます。
絶対測定:
目的の量を直接測定するか、計算できる量を測定する方法です。例えば、ばねを利用した体重計で体重を測定する場合、ばね定数からばねの荷重と変形量の関係を計算しておき、ばねの変形量を読み取って体重に換算します。(基準重りを載せて目盛を刻んだ場合は、絶対測定にはなりません)
相対測定:
目的の量を、基準となるサンプルと比較して測定する方法です。例えば、ボクサーの体重(質量)を測る天秤式体重計は、分銅の質量とボクサーの体重を比較します。 基準となるサンプルとしては、事前に用意された規定の質量の分銅を用いています。 これは比較測定とも呼ばれます。
両者の特徴を比較すると下記のようになります。
絶対測定 | 相対測定 | |
---|---|---|
測定方法 | 目的の量を直接、または目的の量に換算できる量を測定します。 測定器を入手したらすぐ測定ができます。 |
目的の量を、基準サンプルの値との比較で計測します。 最初に基準値を用意しないと何も測定出来ません。 |
再現性 (繰返し測定したときの値のばらつき) |
基準サンプルの確度を大きく超える再現性は殆どありません。(例えば、目盛が1kg刻み、再現性10g‥‥使い道がありません) | 基準サンプルの確度をはるかに超えて、再現性良く測定する場合が多いです。 |
確度 (正確度、測定の偏りの小ささ) |
測定器自体が基準を持っていて(目盛等)、その確度が測定の確度となります。 | 相対測定に使用する基準サンプルの確度がほぼ測定の確度になります。(必要に応じ、サンプルの確度を更に追込むことも可能です) |
観測による対象の乱れ | 対象物に接触するとか、試験片を採取しないと測れない場合が多々あります。 | 放射線など対象物に非接触で測る方式も広く利用可能です。 非接触測定はオンライン向きです。 |
ご注意:相対測定方式では、基準サンプルを可能な限りの正確度で測定し、予め評価しておくことが必要です。正確度は、基準サンプルの正確度を超えることはできません。
基準サンプルの作り方、サンプルテストなどは、経験豊富な守谷商会までお問合せください。