レベル計は、下記のように測定原理により向き不向きがあります。 プラントで使われるものでは、
1) 差圧式
タンクの上と下の圧力差を液密度で除して、液面の高さを求めるものです。 直接的で分かりやすい測定法ですが、液密度の変化や撹拌・注入による動圧などが計測の障害となります。設置後は細い導圧管の定期的な保守も重要です。
2) 静電容量式
タンクの内部に挿入した電極間の静電容量の変化から液面高さを測定するものです。媒質の電気伝導率(成分・固形物・泡)や電極の付着物、撹拌の影響が外乱要因となり、精度に大きく影響します。
3) 超音波・マイクロ波反射式
上から液面に超音波やマイクロ波を当て、反射波が戻るまでの時間から液面高さを知るものです。液面が平らで一様(渦、泡、浮遊物がない)なことと、撹拌翼や金属製タンクの壁面からの乱反射に影響されないことが測定の前提になります。
4) マイクロ波透過式
水平方向にマイクロ波を透過させ、上昇する液面に遮られたことを検出してレベルを検出するものです。金属タンクの場合、マイクロ波のための窓をタンク側面に加える改造が必要です。また、撹拌翼が液面より上にある場合は、乱反射したマイクロ波により予測できない影響を受けます。
5) 放射線式
タンク内を透過するγ線の減衰を測定して液面高さを測定するものです。 液面の浮遊物に影響されにくく、超音波やマイクロ波のような乱反射による異常値もなく、更に撹拌翼の間にγ線を通してレベルを測定することも出来ます。
また、検出器がタンクの外側にあるので、高温・高圧・強酸・強塩基雰囲気でも設置上の制約はなく、センサの取付に伴うタンクの穴開けなどの改造も不要です。
導入前には放射性同位元素の使用許可等の手続が必要になりますが、導入後はほとんど手がかかりません。
ドイツのベルトホールド社は、この放射線式レベル計のトップレベルのメーカーです。
ベルトホールド社の世界中で年間2,000セットを超える豊富な納入実績、多様な製品群により、貴社設備に最適な計測が可能になります。
1980年代より鉄鋼・紙パルプ・化学プラントなど様々な現場で、アプリケーションで、信頼できるレベル計として培われた経験を標準化しました。
> LB471 シリーズ γ線式レベルスイッチ
透過するガンマ線の減衰率から、タンク内のレベルをオンオフで検出します。連続レベル計と併用してインタロック用にも用いられます。
> LB470 シリーズ γ線式連続レベル計
透過するガンマ線の減衰率から、タンク内のレベルを0%から100%の連続レベルで測定します。
一般的な計測レンジは、0.5m~16m となります。
> LB474 シリーズ γ線式密度計
レベル計の応用による濃度・密度測定です。 透過長一定の液体中を透過するガンマ線の減衰率変化から濃度や密度を測定します。
参考例:
HCl 溶液 ±0.022% of HCl
H2SO4 溶液 ±0.038% of H2SO4
応用として、密度差を利用した層別のレベル測定、例えば石油精製用の脱塩装置内部の水と油各々の液面高さ、鉄の鋳造モールドの溶鋼レベルとパウダーの層厚など、が可能です。
> LB452 シリーズ モールドレベル計 【放射線式】
透過したガンマ線の減衰率を利用して、連続鋳造モールドの側面から湯面高さを0-100%で測定します。
一般的な計測レンジは3~15cm で超高速測定が可能です。
既設の放射線レベル計に問題はありませんか?
例えば、
- 据付当初に比べて何となく指示が不安定なので、時定数を長くして使っている。
- タンクは空のはずなのに、レベル指示値が下がりきらない。
- 突発的にレベル高警報が出ることがある。
- 雨が降ると、指示値が変わってしまう。
放射性同位元素から出るガンマ線は、時間の経過とともに弱くなり、レベル測定に必要な強度を維持できなくなります。 据付から10年以上経過していて上記の症状が見られるようであれば、線源の強度低下が原因の可能性があります。
これらは、ベルトホールド社の超高感度型検出器(SuperSENS)に交換することにより、今の線源を変更せずに対策することが可能です。 線源の強度から延命可能年数を計算してご提案しますので、弊社までお問い合わせください。